リウマチ17年目の過ごしかた。

リウマチになって17年、30代の記録です。

17年の経過を簡単に③「レミケードの感想」(治療費について思うことを添えて)

今回は、生物学的製剤レミケードを使いはじめて感じたこと、

体調や生活がどう変わったのか、金銭面について思うこと、また点滴で受けるという点で個人的に良かったところと不便だったところなどについて書いていきたいと思います。

 

前回の投稿では、診断後から半年間の間に症状が急速に悪化していく中、飲み薬がほとんど効かず、日本では治験が終わったばかりだったレミケードを即断して始める事になり一晩にして奇跡のように回復した、、、!という流れを語りました。

 

思い返せば、本当にレミケードの効果は劇的で怖いほどの回復でした。

だからといって薬に対しての恐ろしさは全くなく、本当に日々の辛さが激減した事、できなくなっていたことができるようになった事、ひとつひとつに感動する日々でした。

歩くペースがとても速くなりました!(階段以外の平坦な道は、ほぼ病気になる前と同じ速度で歩けるくらいの回復でした)

手についた水滴を、パッパッと払う仕草が数ヶ月ぶりにできるようになりました!(指をはじく仕草も手を振る仕草も、指、手の甲、手首の炎症で全くできなくなっており、水が滴る状態の手をゆっくりと動かして、布に押し当てて拭く、という工程が通常になっていたのでこの変化には感動しました。)

燃えるような体のだるさが楽になりました。

フキンを軽く絞ることもできるようになりました。

眠りも深くなったと思います。

 

以上の変化は点滴をしてすぐに効果がありました。

 

さらに、

点滴の回数を重ねるごとに症状はどんどん良くなっていきました。

レミケードをはじめたのが大学2年の11月だったのですが、大学3年の春(5月)には食品の店頭販売のアルバイトをはじめるまでに回復していました。

立ちっぱなしの仕事で、冷たい水での洗い物や重い荷物を運ぶこともありました。シフトも週5日入ることもある割とハードなスケジュールでしたが、リウマチということを話さずに健康を装ったまま、大学を卒業するギリギリまで勤めることができました。

 

友人と遊ぶ機会も増えました。

(大学の友人達はリウマチのことを重く捉えすぎず、たまにはネタにしてくれる位のテンションで付き合ってくれました。それでいて重い荷物などを運ぶ時には手伝ってくれたり、本当に心情面でも生活面でも、日常の色々な面で助けられました。感謝しています。)

 

アルバイトをはじめることができたのは本当にうれしかったです。

このまま治療でお金を使う一方になってしまうのか、、という不安や、両親にお金をたくさん使わせてしまった、、という申し訳ない思いが、働けた!!という事実にだいぶ救われた気がしました。心が軽やかになりました。

多少無理をしてでも、たくさんお金を稼ぎたい!と授業のない時間の多くをバイトに費やしました。

また体調の良さが続いたおかげで、アルバイト先の方々に病気のことを隠し通すことができ、私が病気になった経過を知らない仲間たちの中で健康な大学生に戻った気分を味わうことができました。それは自分にとってとてもうれしいことでした。

 

 

このように、体調面でも生活面でも、レミケードを受けてから全てが激変しました。

 

自分にとっては良いことばかりでしたが、大変だったことをあげると、やはりそれは金銭面でした。負担してくれていた両親には感謝ばかりです。(その思いは社会人になってから一層深まりました。)

治療を始めるにあたってかかった金額は入院、検査もろもろで20万以上かかりました。

点滴の度にかかった具体的な金額も覚えている金額も書いておこうと思ったのですが、ずいぶん前のことでうろ覚えのため今回は割愛します。

とにかく高額だったので少しでも足しにしようと、動けるようになった体でとにかくアルバイトに励みました。(今思えば、この時は調子に乗りすぎていた気がします。本当はそんなに無理をしてはいけないと思うので、くれぐれも参考にはされないようお願いします。)

 

金銭面に関しては、この当時に月々かかっていた金額はもちろんですが、この時点から今日までずっと高い治療費がかかり続けていること、その事がとても大変に感じます。

ライフステージが変わっても、ずっとついてくる治療費はその時々で悩みのタネであり続けています。

学生時代は両親の助けがあり、入院費もレミケードを始めるにあたってかかる色々な費用も自分で払っていた訳ではない為、金額に重みを感じながらも自分で工面するようになってからと比べると苦しさはやはり軽かったのだと思います。

(アルバイトで貯めたお金も、両親は自分の貯金として使わせてくれ、直接その時のレミケード代としては結局のところ使いませんでした。)

ただ、当時の必要のなかったはずのお金を使わせてしまったという苦しさも、それはそれで苦しいものだったので、自分で支払えるようになってからは気持ちはだいぶ楽になりました。それでも社会人として働き始めた頃、毎月給料の3分の1くらいが治療費になっていく様子に治療費の重みを痛感しました。

治療にかかるお金は治療に使っているので、ただ消えていく訳ではなく、無理に取られている訳ではなく、自分自身の健康を買っているようなものです。

何よりも必要なところにお金を使っているはずなのに、その負担の大きさは生活がうまくいかない時ほど重くのしかかるので、未だに悩みはつきまといます。

これがなくては元気に過ごすことができなかったという、本当に自分にとっては何より必要な費用であることは自覚しているつもりなのに、元気なことに慣れてくれば来るほど、まるでそのお金が消えていっているかのような思いになってしまうことがあり、自分だけが変に苦労をしているような気になってしまうことさえあります。

今から30年ほど前の祖母がリウマチに苦しんでいた時代には、痛みを劇的に抑える薬はなく本当に何年も痛みに苦しんでいたのだということ。

初回のレミケードのための入院時に同室の重い疾患の患者さんに、治る薬があることがうらやましいという気持ちを聞いたこと。

そういったことを思い出し、治療法のある時代に生まれて、治療を受ける機会に恵まれたことに感謝をしたいと思いながら、それでも常に自分にとってはとても大金の治療費が必要であり続けることには負担を感じ、、、必要性は感じつつも、その負担は非常に大きいというのが現実です。

 

※ちなみにレミケードは、現在使っているアクテムラ、以前使っていた、エンブレル、エタネルセプトBSと比べてもとても高価でした。

 

 

最後に、点滴での投与を受けていたレミケードと、現在行っている自己注射との体感の違いについて書いておこうと思います。

治療を受ける上で個人的に感じたメリットデメリット簡単にまとめます。

 

メリット

・人に処置をしてもらうので安心で怖くない。(あくまで自己注射が怖い私の感想です。)

・毎週痛い思いをすることがない。(自己注射は種類によっては毎週、もしくは週2回のこともあるので)

 

デメリット

・点滴のスパンが長いので薬が切れてくる。(点滴前にはだいぶ痛みがありました)

・丸一日かかるので、予定の確保が必要。

・ほぼ半日の座りっぱなしが辛い。(私の場合はアレルギーが出たため通常の3倍ほどの時間がかかっていました)

 

このような感想です。

 

エンブレル、エタネルセプトを使っていたときは、注射がとても痛く感じて注射の日は朝から憂鬱だったので、誰かに打ってもらえる点滴の時は良かったなあ、、、と感じたこともありました。

ただ毎週注射を打つ自己注射のほうが体調が一定に保てたり、打つのに必要な時間は一回5分もかからないのでそれぞれに一長一短があるなと感じます。

 

生物学的製剤については、長くTNF阻害薬(レミケード、エンブレル、エタネルセプト)を使用していましたが、現在はインターロイキン6阻害薬(アクテムラ) を使用しています。

効果の出方、体感にとても違いがあったのでその点についても体験をまとめておきたいと思います。

(病気と長く付き合ってきた中で、体験してきたことはできる限り書いておきたいと思います。)

 

少しでも多くの情報を探している方の一参考になれば幸いです。

ただ、繰り返しになりますが、リウマチは人それぞれに本当に症状の出かたや薬の効きかた、色々な面が違うと感じます。

関節リウマチという病名だけではくくれないだろうと感じているので、あくまで一つの例として読んでいただければと思います。

 

 

以上が、レミケードを使ってみての感想でした。

 

このレミケードの治療は3年弱続けたところで、エンブレルに切り替えることになります。

エンブレルは、その後10年ほど使い続けました。

次回はエンブレルに切り替えた理由、使ってみて変わったところなどを書いていきたいと思います。

 

長文にお付き合いいただきまして、ありがとうございました。